注文住宅で失敗したくない!モデルハウスの見学ポイントから間取り・設備まで。
更新日 2017/09/11
注文住宅を建てようと思った時に、一番ワクワクするのは間取りや内装、設備を考える時ではないでしょうか。
しかし、こんなはずじゃなかった・・・といった後悔の声がネット上に溢れています。
失敗したからといって、住宅を何度も購入できる人はそうそういませんし、後悔しながらもローンは払い続けなくてはなりません。
はじめて注文住宅を建てる時に、どういう点に注意したら失敗が防げるのでしょうか。
【はじめての注文住宅】総合住宅展示場って行った方がいいの?
注文住宅を建てると決めたら、まずは総合住宅展示場でしょ!・・・という人が多いと思います。
総合住宅展示場とは、複数の大手ハウスメーカーが「モデルハウス」を共同出展している場のことです。
モデルハウスを見学するメリット
総合住宅展示場を見学する最大のメリットは、複数のハウスメーカーのモデルハウスを一度に見学できることです。
メーカーごとの特徴や設備、機能、仕様などを効率的に比較することができます。
最新のキッチンやお風呂、トイレなどを実際に触って体験できたり、無料の相談会や、豊富な資料なども揃っており情報収集も可能です。
多くのモデルハウスを見学することで、住宅選びの目や、センスを養うこともできます。
モデルハウスを見学するデメリット
総合住宅展示場は、そのメーカーの良さをアピールし購入してもらうことが目的なので、広すぎる家にフルオプションの設備を持つ豪華なモデルハウスがズラリと並んでいます。
素敵すぎる家にうっとりしてしまいますが、モデルハウスは、あくまで「モデル」。
一般的な予算では叶えられない設備も多いことを頭に入れて見学しましょう。
とりあえず見に行くだけ行ってみよう!と家づくりの方向性も定まっていない時期に見学に行くと、そのステキな空間に魅せられ、営業マンにうまく誘導され、勢いで購入を決めてしまったという失敗談も少なくありません。
総合住宅展示場では、アンケートをお願いされる場合が多く、書いてしまうと営業電話やダイレクトメールが必ず届くようになるので、これを鬱陶しいと感じる人もいるでしょう。
何棟も見学するうちに、次から次へと目移りしてしまい、自分にとっての理想の家がわからなくなってしまうケースもあります。
モデルハウス見学の前にはしっかり準備をしておこう
展示場に行く前には次のような準備や心構えをしておきましょう。
先に資料などで見学するメーカーを絞っておく
何も考えずに住宅展示場に行くと、目についた家にとりあえず入ってしまいがち。
営業マンの説明を受けながら住宅を見学するのは意外に疲れるもの。
何棟見学しても「どれもステキな家だったなぁ~」くらいしか頭に残ってないのでは勿体ないです。
ある程度、資料やホームページで見学したい業者を絞っておき、自分と自分の家に合った業者を見つけるんだ!という気持ちで見学できるといいですね。
モデルハウスはフルオプション仕様であることを理解しながら見る
モデルハウスは、家の広さも設置してある設備も、置いてある家具も最高級のものです。
雰囲気に飲み込まれて購入を決め、予算に合わせて内装や設備をグレードダウンしたら、イメージとは全然違うオシャレでもなんでもない残念な家ができてしまった・・・ということもあるので気をつけましょう。
気分が高揚して、せっかく注文住宅を建てるのだから・・・とオプションを付けすぎて予算オーバーになってしまうケースも多いです。
だからといって「こんな豪華な家にできるはずがない」と諦めモードで見学せずに、気に入った設備や間取り、参考にできそうな家具の配置や真似したいインテリアなどは積極的にメモしておきましょう。
注文住宅の良いところは、コストをかけるものとかけないものを選択できること。
この設備だけは取り入れ、あとはコストを抑えようといった工夫もできるからです。
アンケートは断っても大丈夫!
モデルハウスを見学すると、アンケートをお願いされます。
電話やダイレクトメールなどで営業されることをわかっていながら、説明もしてもらったし・・・と記入する人が多いと思います。
あちらこちらから営業されるのが嫌な人は、やはり最初から候補のハウスメーカーに絞って見学するのがオススメです。
気に入ったハウスメーカーであっても、営業マンと相性が悪いなと感じた場合は、記入しない方が良い場合もあります。
最終的に、そのハウスメーカーと契約することになった場合「アンケートを記入してもらった営業マンが担当になる」という仕組みになっているメーカーも多いからです。
【はじめての注文住宅】見学会って何?モデルハウスと何が違うの?
家を見る機会は、総合住宅展示場・モデルハウス以外にも、建築会社が行っている見学会があります。
見学会には「現場見学会」「完成見学会」「入居者見学会」があります。
現場見学会
「現場見学会」では、実際にその会社が手がけている家の「建築中の現場」を見学することができます。
普段見ることのできない基礎や土台、使用している材料や工法を知ることで家の安全性の確認ができるほか、現場の作業環境もチェックできます。
その家を設計した建築士や、現場の職人さんが同席して説明してくれるケースが多いです。
モデルハウスの営業マンではわからない専門的なことについても教えて頂ける可能性が高いです。
完成見学会
「完成見学会」では、「引き渡し直前!完成したての家」を見学することができます。
施主の了解を得たうえで行われます。
豪華なフルオプション付きで現実味のないモデルハウスではなく、実際に購入し住む人がいる家ですから、見学することで参考になる点が多いでしょう。
入居者見学会
「入居者宅見学会」では、「既に入居済みで生活を始めている家」を見学させてもらえます。
入居者から、家づくりに関する体験談や、入居してからわかった実際の住み心地を聞くチャンスです。
家具なども配置済みなので、実際の生活をよりイメージできるでしょう。
【はじめての注文住宅】ショールームやイベントにも参加してみよう
キッチンなどの設備や床材など材料を展示している「ショールーム」では、見て触って使い心地をチェックすることができます。
モデルハウスでは、ハウスメーカーの比較はできても、キッチンなどの設備をメーカーごとに見て触って比較することは難しいですよね。
注文住宅のイメージもより膨らむので、必ず一度はショールームに足を運ぶといいですよ。
そのほかにも、疑問や不安を解決できる相談会や、セミナーや講座といったイベントも開催されています。
ローンや税金に関する相談、注文住宅の基本を学べる講座など様々です。
わからないままなんとなく担当者におすすめされるがままに建ててしまっては、結局不満だらけの注文住宅になってしまいます。
失敗しないためには、様々なイベントに参加して情報を集めたり、わからないことは専門家に直接教えてもらうのが一番です。
【はじめての注文住宅】後悔しやすい間取りや設備
モデルハウスで見たステキな間取りや、最新設備。
憧れと勢いで設置して後悔している人も多いようです。
失敗例をいくつか紹介します。
リビングの吹き抜け・リビング階段
モデルハウスでも見かける吹き抜けのリビングは、オシャレで開放感があり、憧れですよね。
子どもが帰ってきたのがすぐにわかる「リビング階段」も人気ですが、デメリットもあるので注意が必要です。
吹き抜けやリビング階段は、「寒くて冬でなくても暖房が必要」「エアコンの効率が悪い」「電気代が高くなってしまう」「ニオイが2階に上がってしまう」「音が響く」といったデメリットがあります。
断熱方法を工夫したり気密性を高める工事をする、必要に応じて部屋を区切れるような設計をしておく、暖まりにくい足下は床暖房にするといった工夫で解決できます。
天井にファンを付けたり、吹き抜け上部に照明を置いた場合は、掃除や電球の交換も大変です。
窓の位置・天窓
隣家との距離が近い場合は特に、窓同士が向かい合わせにならないような工夫が必要です。
窓を開ければ、生活音や声が筒抜けになってしまいますし、防犯の面からも、カーテンも窓も開けることができない使えない窓になってしまうからです。
例え向かい合わせでなくても、家の音が漏れる原因の大半は窓にあります。
遮音性に優れている「ペアガラス」にすると防音対策になります。
部屋を明るくしてくれる「天窓」は、「紫外線が気になる」「家具や床が傷む」「夏は暑い」「雨の音が気になる」「掃除やメンテナンスが大変」といった後悔の声が聞かれます。
アイランドキッチン
オシャレで開放感があり、料理が楽しくなりそうな「アイランドキッチン」。
遮る壁もなく丸見えなのでいつもキレイにしておかないと、生活感が丸出しになってしまうのが、デメリットです。
赤ちゃんの様子を見ながら料理ができるというメリットがありますが、子どもが歩き出すと壁や遮るものがない「アイランドキッチン」は危険がいっぱいなので、注意が必要です。
トイレ・ドア・コンセントの位置
リビングなどの居住スペースを極力広くしたいからと廊下を削ってしまうと、リビングの中にトイレのドアがある、トイレのドアを開けると玄関からトイレの中が丸見えといった困った間取りになることがあります。
こうなると、トイレの音やニオイが気になりますし、玄関に来客がある時にトイレに行きづらくなります。
あまり位置を気にしない人が多いですが、実際生活すると不便なのが部屋のドアやクローゼットの扉。
ドア同士がぶつかり同時に開けることができない、扉を開けると階段をふさぐ形になるなど、生活動線の妨げになりとても不便です。
家電の配置を考えずにコンセントを設置すると、延長コードだらけになり、見た目にもマイナスです。
大きなお風呂
足を伸ばしてゆったりくつろぎたいからと浴槽を大きくしたり、浴室を広くしたい人もいると思います。
大きな浴槽は、水道代がかかる、お湯が冷めやすいといったデメリットも。
広い浴室は冬はとても寒いですし、大きな窓は寒いだけでなく防犯面でも心配です。
【はじめての注文住宅】設置するか迷う設備ベスト3
注文住宅を建てる時に、設置した方がいいのか迷っているとよく話題に上るのが「床暖房」「太陽光発電システム」「エネファーム」の3つではないでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
床暖房
床暖房には、電気式床暖房と温水式床暖房の2種類があります。
- 冬は足下からポカポカ、部屋全体が暖まる
- 湿度を下げず、部屋が乾燥しない
- 風を起こさないのでほこりが舞いにくく空気がクリーン
- ニオイもなく音も静か
- コードなどがないのでお部屋がスッキリ
- 初期費用が高い(広さ・種類により50~100万円くらい)
- 暖まるまでに時間がかかるので、他の暖房器具との併用で電気代が高くなる
- 電気式床暖房の場合、電気の基本使用料や月額が高くなる
太陽光発電システム
太陽光発電とは、屋根に太陽電池を取り付け、太陽の光エネルギーを吸収して電気を作るシステムです。
- 光熱費を節約できる。オール電化にすればガス代も削減できる
- 余った電気は売ることができる
- 停電の時も使用できる
- メンテナンスはほとんど必要ない
- 初期費用が高い(100万円~)
- 発電量は不安定(夜間は発電できず、天気に左右される)
- 売電価格が年々下がっている
- 屋根に穴を空けて設置するため、手抜き工事をされた場合雨漏りが起きる可能性がある
エネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)
エネファームは、ガスから水素を取り出し、その水素で燃料電池が発電を行い、発電時の熱を利用してお湯を作るというシステムです。
お湯はタンクに貯湯しておくことができ必要な時に使用できます。
都市ガスだけでなくプロパンガスでも利用できます。
- 発電した電力を家庭ですぐに使用できる
- 発電と給湯を同時に行える
- 省エネと電気代の削減。環境にもやさしい
- 太陽光発電と異なり、発電して余った電力を売ることができない
- 機器そのものが高価(200~300万)なので、一般家庭が取り入れてもすぐには採算が取れそうにない
- 停電時に自立運転可能な製品がまだ少ない
- ガスが止まってしまったら発電できない
「発電」をするという点では、同じ「太陽光発電システム」と「エネファーム」。
太陽光発電システムは太陽の光から電気を作るため実質無料なのに対して、エネファームの場合は、電気を作るのにガス(都市ガス・LPガス)が必要なのでガス代がかかるという点が大きな違いです。
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